ソレダケ/石井岳龍【映画館で鑑賞】
ソレダケ/石井岳龍【映画館で鑑賞】
映画『ソレダケ/that's it』予告編 - YouTube
ブッチャーズ、万歳!!
ずっと見たかった映画。シアターセブンにて鑑賞。ロックバンド『Bloodthirsty Butchers』ありきで作られた本作は、非常に良い疾走感があった。石井岳龍監督らしくアングラな題材を泥臭く描いた映画。格好悪いのに格好良い。好みである。
ストーリーは、 戸籍のない男(染谷将太)がどん底から這い上がろうと藻掻くといったもの。全編通して疾走感があり、中弛みしない。実際、キャスト陣はよく走る。とにかく、走る。全身全霊、全速力である。随所にかかるブッチャーズの曲が映画によりスピード感を与える。カッコヨス。敵の組織もいい。分かりやすく悪者。どことなく戦隊ものの悪の組織ぽい。組織の親玉は、綾野剛。役名は、“千手 完”。ダサい。ダサいけど良し。因みに、ヒロインの名前は“南無 阿弥”である。スベってる。スベってるけど良し。
終盤のガンアクションは正直安っぽいが、この少しチープなぐらいが日本らしくて良いのではないか。変にCGなんか使われると一気に冷めてしまう。日本人の顔とCGは合わない。白ご飯にメープルシロップをかけても美味しくない。パンケーキにかけるからこそ、美味しいのだ。まぁ、この映画の場合は、ストーリー的にわざとチープなアクションにしているのかもしれないが。
兎にも角にも、ブッチャーズ万歳。本作の評価はそれに限る。ボーカルの吉村氏は、この映画の公開前に亡くなっている。生前、一度だけライブを見に行った事がある。異星人でも見たような気分になった。亡くなられたと知った時に、「もうライブを見れないのだ」と寂しい気持ちになった。だか、これからはブッチャーズのライブを見たくなればこの映画を見れば良い。なんならライブDVD以上に、ブッチャーズのライブらしいのではないかとも思う。この映画の、いい部分も悪い部分も全て含めてブッチャーズっぽいのである。格好悪く格好良い。ブッチャーズ、万歳!!
勝手に採点、星4つ。
よだかのほし/斉藤玲子【DVDで鑑賞】
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やけて死んでもかまいません。
主演は、マッシュボブの先駆者こと菊池亜希子さんです。最近はやっておりますね、マッシュボブ。その前から、彼女はマッシュボブです。パイオニアです。そんなマッシュボブによるマッシュボブ好きのための本作は、宮沢賢治の童話「よだかの星」を基にして作られたおります。鑑賞後、青空文庫で読みましたが、いい話でした。短い童話ですのでお勧めします。
短いといえばこの映画もすごく短いです。82分です。いいですね。私は、映画は1時間半がベストだと思っております。せめて2時間以内。122分はだめです。どんなに良くても2時間を超える映画は、私の中ではルール違反です。字余りの俳句のような感じです。2時間という限られた枠で作られるからこそ、伝えたいことも見えてくると思うのです。
映画の内容は、「森崎書店の日々」「海のふた」に続き、菊池亜希子さんが都会を抜け出し田舎に帰ります。菊池亜希子の「都会を抜け出し再生しがち」シリーズです。のんびりとしたペースで進行する映画でした。随所に入る宮沢賢治の小説のフレーズが印象的です。まぁ、82分なのですべて良しです。とりあえず今日からお盆休みですので、実家に帰ろうと思いました。
勝手に採点、星3つ。